在宅療養への準備
もはや積極的な治癒を目指した医療処置が出来なくなった母に次の選択肢が迫られました。
転院するか、退院して自宅で在宅療養するかです。母の場合転院するのであれば、ホスピスとなるのですが、何人もの待機がいるらしく、1、2か月待ちとなる様です。在宅となると、年老いた父への負担が大きくなり心配ではありますが、様々なサポートがあることから、在宅療養をすることに決めました。
自宅での療養は、住み慣れた環境で過ごせることによる精神的なメリットがあります。家族と一緒に過ごせる時間が長く、起床、食事、消灯時間も本人のペースで決められますが、医療従事者が常駐し医療器材が整備された病院に比べると、人的・物的なサポート体制は劣ります。
足りない分のサポートは、医療・介護従事者の訪問サービスや、福祉用具の購入・レンタルサービスで補うことができます。訪問看護師による在宅看護は、在宅療養を支える医療従事者のサービスのひとつです。
父も慣れない手つきで、点滴の交換手順を懸命に練習していました。